小泉吉宏『ブッタとシッタカブッタ 』シリーズ・フリーランサー 大川リヱ

おすすめ本 File 099
「20代の、悩める全ての人たち」へ

大川リヱ

099btta今回お薦めするこのシリーズは、実は自分が大学生の時に読んだことのある本。

…とはいっても当時は、友人(恋愛に悩んでいたみたい?)が読んでいたのを借りて、ちょっと読んで、ふ〜ん。まあ、それだけ。
わたし、若い頃はあんまり悩みってなかったんですよね。
悩んでるフリはしてたけどね。

かわいらしいブタさんのキャラクター「シッタカブッタ」が、じたばたじたばたと思い悩み、そして「気付く」。そんなエピソードが、さらりと4コママンガで描かれた本(ブタのキャラクターだから、仏陀=ブッダじゃなくてブッ「タ」なんです)。

それが、最近本屋でふと目にはいって「あら、懐かしい」と手にとってみました。これまでのシリーズに加筆・修正を加えたダイジェスト版「なやんでもいいよとブッタは、いった。』が新しく出版されていたのです。そこではじめて、シリーズ累計で200万部を突破してたベストセラーだということを知り、全巻読み返しました。

で。

思わず泣いてしまいました。
しかも、読むところ読むところ、いちいち、全部、泣けてくるんです。
やっぱオバサンになると涙もろくなるんでしょうか…。

これまでの過去の自分が悲しくてしかなかったこと、
これまでの過去の自分が手放せなくて苦しんでいたこと、
これまでの過去の自分がバカみたいに執着していたこと、
これまでの過去の自分が健気にがんばっていたこと、

……そんなことがたくさん浮かんできます。

ブタちゃんがじたばたしてる姿は健気であり、滑稽で、バカだなあっておもったり可笑しいなってクスッとしたり。
でも、結局「ああ自分も同じじゃん」って気付いてしまうんです。

克服できたこともあれば、まだ格闘していることもあり、
ダメだダメだと気付いていたことがあれば、
ダメだと気付いてさえいなかったこと。

それから今の自分の良いところ、
今の自分のまわりの世界の素晴らしさなんかにも気付いてしまったりして(照れ)。

働くことって大変ですよね。

働くことがすごく楽しい!という人でも、悩みだとか、イヤなことがひとつもないという人はきっといないでしょう。

仕事っていうのは、自分でどうこうできることばかりではありません。
努力に努力を重ねても、ちょっとした運に左右されたり、人間関係ひとつで振り出しに戻ってしまったり。

そりゃ何だって、思い通りに行った方がいい。
努力は実った方がいい。
誰とでも仲よくできたらいい。
でも…そうはならない。

やっぱり、働くことって大変ですよね。 そして、生きることも大変だ。

少しややこしい言いかたになってしまうけれど、自分でどうこうできることばかりではないからこそ、自分が出来る事を精いっぱいする、自分の心の持ち方を整えるってことが大切なのかなって、このシリーズを読み返して見て思ったのでした。

私なんてもう43歳になったというのに、毎日ヤキヤキモキモキの連続です。

あれがあんなだったといっては腹をたて、
あれがこんなだったといえば落ち込んで、
あれがそんなだったと妄想しては不安になる。

だけど、そんなことばかりでは疲れてしまうからやっぱりどこかでリセットします。何か自分がしがみついているものはないかと少しずつチェックをして「それってそんな大したことか?」と考えてみるようにしています。

やっぱりわたしも「シッタカブッタ」なんだね。

悟ったりなんかはまだまだできなさそうだけど、 せめて素直に悩んで、素直にその悩みを手放したいなと思います。
「ブッタ」さんも「なやんでもいいよ」っていっているしね。

焦っているあなたへ。

「幸福を感じようと思うと幸福を追求することになる。未来に幸福を求めると、人は際限がなくなる。幸福であることは、未来ではなく、現在だ。幸福とは感じるというより、気づくこと。幸福とは、ただ、「ある」ことなんだ。(『ブとタのあいだ』)」

未来を見過ぎると疲れちゃいます。誰かの何かのポジティブ攻撃につかれたら、「現在」に気持ちをフォーカスしようか。

今とても辛い思いをしているあなたへ。

「春は夏に夏は秋に秋は冬にそして冬は春に。すべてのものは移りかわる。それはせつないとかさびしいとかいうものでなく、あたりまえのこと(『ブッタとシッタカブッタ2』)」

「かなしいことがあるのはあたりまえ(『ブタのふところ』)」

そのままずっーーーと同じなんてことはない。 そのままずっと同じを願っていたとしても、変わらないなんてありえないんだ。 そして、かなしいことがない人生も、ありえない(だけど、そんな当然のことがたまに頭から抜けてしまうなんて、人間ってある意味スゴい……。)

何故かわからないけれども、やっぱり若い方が生き生きしていると見ていてとても気持ちが良いし、元気が出ます。

決して生きやすい世の中ではありませんが、 年齢は違えどこの時代をともにしているもの同士、 時にはなぐさめあって、励ましあって、少しでも楽しく軽やかに生きて行ければいいな。一緒にネ。

大川リヱのプロフィール

大学卒業後、印刷会社(営業部)に入社。たった6年で会社員を卒業。
そこからずっとフリーランス生活です。
仕事では、デザインをしたり、文章を書いたりしています。
趣味では、有松絞りしたり、着物を縫ったりしています。
寝起きがとても悪いのですが、朝起きて、目が覚めてきたころがおおよそ就寝タイムです。