佐野洋子『100万回生きたねこ』・派遣社員 ちはるさんオススメ

おすすめ本 File 083 「20代のすべての人たち」へ

派遣社員 ちはる

083_neko100万年も 死なない 猫が いました。

100万回も 死んで、 100万回も 生きたのです。

りっぱな とら猫でした。

ではじまり

猫は もう、 けっして 生きかえりませんでした。

と終わる、
1977年に出版された佐野洋子作の180万部突破のロングセラー絵本で、
一匹の猫が輪廻転生を繰り返していく様を描いた「絵本の名作」と呼ばれることも少なくない作品です。
大人もじっくりと考えさせられる本です。
というか子供には難しいのではないかとさえ思えます。
というのも読み手によって様々な解釈ができると思えるからです。
実際にネットを見てみるといろいろな解釈を読むことができます。

あらすじは、 

100万年の間、人間(国王・船乗り・サーカス団長・おばあちゃん・女の子…)に飼われ死んでしまいます。 その度に飼い主は大泣きして猫の死を嘆きますが、猫は(たいていの)人間が嫌いであったため、 死ぬのは平気でした。
しかし、100万回目は飼い猫ではなくとてもりっぱな野良猫に生まれ変わりました。 とても立派な猫だったので、いろいろなめす猫が言いよってきますが相手にしません。

「おれは、 100万回も 死んだんだぜ。 いまさら おっかしくて!」
猫は、誰よりも 自分が 好きだったのです。

その中で、自分に関心を寄せない白い猫がいました。初めて猫に感情が生まれます。
白猫の気を引き、寄り添い、子猫を育て「いつまでもいっしょにいたい」と。
年が経ち白い猫は動かなくなってしまいました。
猫は嘆き悲しみ、100万回泣き白い猫のとなりで動かなくなりました。
猫はもう、けっして生きかえりませんでした。

というものです。

このお話を大人になって読み返した時に、一度では何が言いたいのか正直わかりませんでした。
なんだか、もやもやとしたはっきりしないものが残っていました。
「これはハッピーエンドなのか?」
多くの人が感想で言っている ”愛する相手に出会って猫生を全うしたのだから幸せ” でいいのかな?
猫が死んでしまったのに ”めでたし・めでたし” って思えるこの不思議。
斜め目線でみると、この猫は今までの飼い主と同じことを白猫にしたのでは?
一方的に愛を注いで、居なくなったら嘆き悲しむ。 実は最後まで自分だけが好きだったのでは?とか思ったりもしました。
また、自分は「今ここ!」をちゃんと全うして過ごしているのか?とか・・・。

今もどこが自分の琴線に触れているのかはっきりしていません。
そんな本をオススメしていいのかな?とも思っているのですが、 
やっぱり若いうちから
「愛」とか「戦争」とか「生きる」「輪廻転生」
なんてことを考えて欲しいなと思い紹介しようと筆をとりました。

ぜひ一度読んでみてください。 短いのですぐ読めますよ。
でも読後は少しゆっくり考える時間がかかるのではないでしょうか?
また、その時の自分の置かれている環境や、気持ちで読み方・感じ方に変化があるかもしれません。
あなたなりの解釈をしてみてください。

あと、ネット書評の中に100万年という時代考証をして読むというおもしろい?視点の方もいます。
いろいろな人の解釈を見ることができる点でもオススメです。
人によっては涙がでちゃうかもです。人前では読まないように・・・。

派遣社員 ちはる さんのプロフィール

ちはる・派遣社員
今はライスワークの最中です。いつかはやりたいこと(まだ模索中)をしっかりライフワークにしたいと思ってます。