アン・ディクソン『それでも話し始めよう』・フリーランサー はすぬま がまよ さんオススメ

おすすめ本 File 065
「20代のコミュニケーションと自己主張になやむ人たち」へ

はすぬま がまよ

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コミュニケーションというのは難しいものです。 仕事というものも、複雑のような…単純なような多くの人間関係とコミュニケーションとを含んで、時に仕事それ自体ではなくそれを取り巻く人間関係から、悩んだりやる気を失ったり、「もうこの仕事やめてしまいたい…」なんて思うもの。

  1. 言いたい事があるのにいえない。
    人の言いなりになってしまう。
  2. ハッキリと言わずに遠回し的なイヤミをいってしまう。
    言葉にせず態度で人を動かそうとしてしまう。
  3. ついカッとなって怒ってしまう。
    乱暴な対応をとってしまう。

程度の差こそあれ、こんなことって誰にでもありますよね。 それで自分を責めたり、誰かのせいにしたり、イライラしたり落ち込んだり。 ああ、もっと気持ちよく仕事ができたらいいのになあって、思ったことありませんか?私にも当然、そんな経験が山ほどあります。

1のモジモジさんでもなく、2のネチネチさんでもなく、3のカリカリさんでもなく。それでいて言いたい事がハッキリ言えたら仕事もプライベートももっと楽に、心地の良いものになるはず……。 そんな4番目の方法があります。「アサーティブ」なコミュニケーションといわれるものですが、きいたことがあるでしょうか。

「アサーティブ(Assertive)」とは自己主張という意味で、自分もまわりも大切にしながら適切な表現で自分の気持ちや意見を主張することを言います。そんな心地の良いコミュニケーションをするひとにたまに出会いますが、そういうのは「性格」の問題だと長らく思ってきました。しかしそれはトレーニングで少しずつ手に入れることができるのだとわかって、それだけで少し楽になったものです。

トレーニング方法や、アサーティブなコミュニケーションの「技法」のようなものはいくつかあって、その中で1つこの場でご紹介するのが「自分で暴露する」という方法。それは、自分の感情を(態度とか表情とかではなく)言葉にして表現するというもの。

例えば何かの依頼を断りたい時、「お断りします」とハッキリ言って良いのですが、でもそれが言い難いとき。その「言い難い」気持ちを「言い難い」と言葉で表現します。

「とても言いづらいのですが、お断りします」
「お気持ちが分かるだけに言いづらいのですが、お断りします」
「気がとがめないわけでもありませんがでも、お断りします」

  1. 断りたいといえなくてもじもじとしているよりも、 
  2. 不機嫌な顔をして断りたいということをににおわせたり  返事を言わなきゃわからないかしら?なんてイヤミを言うより 
  3. なんでそんなこと頼まれなきゃいけないのよ!  断ったら私がヒドい女みたいじゃない!なんて腹を立てるよりも

とてもスマートで、正直で、心地よい自己主張だと、わたしはおもいます。

「言っていいかどうかずっと悩んでいたんだけど…」
「こんなこといったら嫌われないかって不安だけど…」
「正直腹が立ってしまってあの時はうまく言えなかったのだけど…」

気持ちをしっかり口に出すことは最初は少しおそろしいですが、考えていたよりもずっとはっきいりと不安感がぐっと減って行く感じを体験してみてください。

自己主張だとか、感情的になることだとか、そういうこと自体がよくないことだと思われる場面もあるのですが、人はだれだって気持ちも意見も持っているもの。 このところは各所でアサーティブトレーニング講座も開かれていて、そういった場にでかけられたらいいのですが、なかなか都合がつかない方や、そういった場所にでかける勇気をもつために本を読んで見るのも良いのではないでしょうか。

アサーティブで検索したら本はたくさんでてきますが、私のお気に入りは、アン・ディクソンさんの書いた物。アン・ディクソンさんはイギリスの心理学者で、ヨーロッパでのアサーティブトレーニングの第一人者です。

率直さ、というのは最初はいい過ぎかしらと心配になったりと、身に付けるまでは少し難しいですが、長い目で見ればこれほど力強いものはないとおもいます。率直な人間であれば「口ではああいってるけど本心じゃないんじゃないかしら?」と疑われにくいですし、「あの人がいいわよといってるなら本当にそうおもっているのね」「あの人がイヤだといえばそれが本心なのね」とわかってもらえる人間になるというのはとっても楽なことではないでしょうか。 なによりも、自分の気持ちを大切にしないで、自分のものでもない他人の気持ちが大切にできるでしょうか。自分の気持ちに素直であればこそ、人の気持ちを慮る心の余裕もでてくるのではないかと思います。

実はこのところ、表面の言葉や態度はすごく丁寧だけど下に下にでられると余計に意見をいいづらい!なんていう状況があるんです。その人のことを私は「過度に丁寧だ」と私は思っていて、やりづらいやりづらいと思っているうちに「そんな風に丁寧にしてるのって、相手のためじゃなくて自分自身が気持ちよくなりたいだけじゃん!」なんて思ってしまって腹が立ってきて……。でもこの文章を書いていて、「自分が勝手に遠慮をして、勝手にぷりぷりしていたんだなあ」と気付きました。

相手のコミュニケーションの取りかたまでもは変えられませんが、相手がどうであれ、自分の意見は自分の意見。やりにくいとおもっている自分の気持ちも大事にしながら、心地よい率直さを意識してかかわろう……と今、思っています。 仕事とは、人と人との間にあるもの。コミュニケーションってやっぱり難しいですが、元気に楽しくはたらくための土台としてこれからも考えて勉強して実践していきたいなとおもっています。

はすぬまがまよさんのプロフィール

はすぬまがまよ
沼系フリーランサー。得意科目は平泳ぎ。
「蓮の葉の 足場は悪いが 気にするな 落ちたら落ちたで スイスイ泳ぐ」