近藤雄生『旅に出よう 世界にはいろんな生き方があふれてる』・Books and Crafts SARANA オーナー 杉田麻衣さんオススメ

おすすめ本 File 058
「20代の目の前のことに一生懸命な人たち」へ

杉田麻衣

058tabi<どんなことについてかかれた本ですか?>

著者の近藤さんが新婚の奥さんと一緒に、5年以上にわたって世界を旅し、そこで出会った様々な人との出会いについて綴ったエッセイです。

岩波ジュニア新書という中高生向きのシリーズの一冊なのですが、文章が簡潔で、著者のメッセージがはっきりと伝わってくるこちらのシリーズは、テーマも多岐にわたり、大人のみなさんにもおすすめです。

<ご自身にとってこの本はどんな本ですか?>

私は大学を卒業してから大企業に就職しましたが、どうしても馴染めず半年でリタイアしてしまいました。
今で言う、“すぐに会社を辞めてしまう若者”にカテゴライズされる身ですね。
その後、自分の専攻でもあったスペイン語をブラッシュアップさせるという名目でスペインへ。2年滞在しました。

大学を卒業して企業に就職するという、いわゆる大道を自分から降りてしまった私にとって、このスペインでの2年間は自分の人生の扉を大きく開いてくれた経験でした。

 本当に無数の生き方があって、いろんな生き方が可能なんだ。

  世界各国でいろんな人がさまざまな生き方をしているのを知ると、
 日本で私たちが考えている「普通の生き方」というのが、じつは全く標準的でもなんでもないことに気づかされる

この本の著者、近藤さんと同じように、様々な人との出会いの中で私が心から感じたことはこれでした。
日本という社会の中で知らず知らずに凝り固まっていたいろんな考えが、ずいぶんとほぐされました。

最近、海外へ出たがらない若者が増えていると耳にします。

モッタイナイ!

若いみなさんのように感受性のみずみずしいうちに、全く違う世界へと足を踏み入れて、いろんな生き方を感じてみる。すぐに結果につながらないかもしれないけれど、後々に自分の人生の大きなヒント、生き方の幅を広げるヒントにきっとなるはずと私は思っています。

旅をして全く違う世界に触れてみると、日々の生活の中で、目の前のことを必死にこなしている時には見えなかったことが見えてくることがあります。自分にとって重大に思えていたことが、もっと大きな視点から見たら、実は些細なことだと気づくことがあります。

日々を一生懸命がんばっている若者こそ、時には肩の力を抜いて、違う世界の人と出会い、違う視点から自分自身を眺めてみてはどうかなと思うのです。

<最後に、若者たちへのエールを!>

それぞれの人が自分らしい生き方を創っていくこと、その中のいくつかの柱の中に「働くこと」があると思います。自分だけの道なのだから、そもそも踏み外すということはない。期待通りでなかった道にも、思ってもみない楽しいことや素晴らしいことが潜んでいるものですよ。

 

杉田麻衣さんのプロフィーExif_JPEG_PICTURE

杉田麻衣
Books and Crafts SARANA オーナー
スペインから帰国後、外国人児童生徒相談員として、小中学校でスペイン語圏(主にペルー人)の保護者の通訳翻訳や、子供に日本語を教える仕事に6年間従事。
その後、地元岡崎に戻り、本と文房具、ハンドクラフトの店
”Books and Crafts SARANA” を立ち上げ、現在に至る。

オフィシャルサイト:http://books-crafts-sarana.blogspot.jp/
若い人におすすめの本も置いています。岡崎高校正門横の小さな店です。