植島 啓司『生きるチカラ』・銀行勤務 sazanamiさんオススメ

おすすめ本 File 043
「20代の、「失敗が怖い」「間違いが怖い」と思っている人たち」へ

sazanami

043ikiru<どんなことについてかかれた本ですか?>

挑戦したいことがある、チャンスがまわってきた、でも

 「失敗したらどうしよう」「間違っちゃったらどうしよう」

と思って一歩が踏み出せないことは、誰にでもあると思います。
確かに失敗してしまうと大変だし悲しくなります。間違えたら気分が悪くなります。
だからといって「100%間違いのない決断」って、できるんでしょうか?

この本では宗教人類学者が長年の研究やフィールドワークから得た「自分の生き方を手に入れる道」が論じられています。
仕事に役立つことはほとんど書いてありませんが、仕事のベースとなる生き方を変えていくヒントに満ちています。
それは「あらゆる選択には誤りが含まれており、成功か失敗かはそう簡単には判断がつかない」ことだったり「生まれたときから人生が始まっているわけではない」ことだったりします。

そして大きなキーワードが「運をぐるぐる回す」。これについて印象的なエピソードが書かれています。
著者がかつてカトマンズに調査に行ったとき、ジュディという40代のオーストラリア人女性と親しくなりました。
著者は昔一人の物乞いにタバコを与えたところ、他の物乞いに囲まれて閉口した経験をしています。そのため「全員にあげられないならば、だれにもあげるべきではない」と、誰にも何も渡さないようになりました。
しかし彼女は違っていました。片手に持ちきれないほどの1ルピーや2ルピー札 (1ルピーは約1円) を用意し、寄ってくる物乞い全員にそれを与えていました。
著者は「ジュディの行為は、金持ちが貧乏人に分け与えるというのとはちょっと違っていて、強い意志の裏づけが感じられる。」と書いています。彼女が用意した金額は、1,000円にもならないくらいです。
「全員にあげられないならば、だれにもあげるべきではない」という考えでは、かすかな後ろめたさが残ってしまいますが、彼女の方法ならみんながハッピーになれるのではないでしょうか。

何もしなければ何も起こりません。
ちょっとした動きでも、それがあることで運がいくらかでも動き、それが重なることでいつしか大きな動きになる可能性もあるのです。

生きる上で重要なのは、表面的な成功にこだわらず、「生きるのに『正しい』も『間違い』もない」ことを知り「運を回し続ける」ことなのだとこの本は教えてくれます。

 

sazanamiさんプロフィール

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sazanamiさん(銀行勤務)
オフィシャルサイトURL: http://sazanami.gekkoh.org/