梯 久美子『散るぞ悲しき-硫黄島総指揮官・栗林忠道-』・寺庭婦人(じていふじん)の卵 景川 由美子さんオススメ

おすすめ本 File 048
「すべての20代の人たち」へ

景川 由美子

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<どんなことについてかかれた本ですか?>
太平洋戦争末期の激戦地・硫黄島の戦いを指揮した栗林忠道中将について書かれたノンフィクションです。 ハリウッド映画「硫黄島からの手紙」で渡辺謙さんが演じた人といえば思い出す方もいるのではないでしょうか。

その栗林中将が硫黄島から家族に宛てた手紙を中心に、彼が硫黄島で何を思い、どう生きたかが描かれています。   

戦争の話というと、凄惨なイメージがあります。確かにそうなのだと思います。
ただ、この本を読んだ後に感じるのは、「この時代の人も、私たちと同じなんだ」ということです。
栗林中将の手紙には、東京に住む家族を心配する言葉で溢れています。
仕事をして、結婚をして、子供がいる。戦争は反対だけど、本土の家族を守るため力を尽くさなければいけない。そこに様々な葛藤があり、70年近く前に生きた人を身近に感じることができるのです。

<ご自身にとってこの本はどんな本ですか?>
この本を読んだとき、「もっと早く出会いたかった」と強く思いました。
著者の梯久美子さんは別の著書で初めて硫黄島に行った時のことを

「死者から励まされているような気がした」 と、綴っています。

「硫黄島=死」のイメージしかなく出発前夜は一睡もできないほど怖かったのが、実際に島に行ってみると、二万人以上の兵士が最後を「生きた」場所だと感じたそうです。

私はこの本をちょっと落ち込んじゃったり自信が 無くなった時に読みます。
梯さんと同じように、励まされているように感じるからです。

<最後に、若者たちへのエールを!>
私は20代の頃、適職を探して何度か転職をしているのですが、30歳過ぎてから気づいたことは

適職=好きな事とは限らない ということです。

私の場合は、適職=より長く経験し、誠実に取り組んできた事 でした。

自分ではそんなに好きじゃないし、得意でもないと思っていた事が、周りの言葉で「私はこれが得意なんだ」と気づくことがあります。
「自分の事は自分が一番分かっている」ということは確かなのですが、第三者のほうが冷静に自分を見ていることもあります。
自分で「私はこうだ」と決めつけないで、周りの言葉にも耳を傾けてください。
きっと、自分でも気づかない、自分の良さが見つかると思います。

 

 

kuwabara1023景川 由美子さんのプロフィール

景川 由美子
寺庭婦人(じていふじん)の卵
高校を卒業後、団体職員、販売員等を経験。
今年お寺の副住職と結婚し、寺庭婦人として修行中!