西尾久美子『京都花街の経営学・舞妓さんのキャリア自律』- キャリアカウンセラー 森 俊昭さんオススメ

おすすめ本 File 006
「20代の若者(男女どちらでも、特に女性)へ」

森 俊昭

kyotohanamachi地方から中学校を卒業し、高校を卒業し、京都に出てきて10代で「舞妓さん」になる女性がいます(最近増えてきている)。彼女たちは一人前の舞妓さんになるために社会人としての基本を一から学んで、舞妓さんになっていきます。
まず、置屋さんに入り、他の舞妓さんや先輩芸妓さんとの共同生活が始まります。置屋さんのお母さんが実のお母さんのようになります。


一年間は化粧もせずに過ごします。そして、特別なことがない限り一年間は実家に戻ることは出来ません。置屋さんには先輩の芸妓さん(20歳を超えて舞妓さんから芸妓さんになる)が何人かいて、そのうちの一人の芸妓さんがお姉さんになり、実のお姉さんのように社会人としての基本、舞妓さんのしきたり、悩みごとの相談等のすべてを引き受けてくれます。もちろん、置屋のお母さんも同じです。舞妓さん自身が失敗をしたり、失礼なことがあった時はお姉さんの芸妓さんがすべて面倒を見てくれて、お姉さんの責任であるかのように詫びたり、誤ってくれます。その代わり、次からは失敗や失礼がないようにしないといけません。

こうして、一年が経過すると、お姉さん芸妓さんの仕事場であるお茶屋さんに連れられて、いわゆる現場の仕事場を見ながら芸や社会人としてお客様とのコミュニケーションや立ち居振る舞いなどを覚えて行きます。また、芸を覚えるために女紅場という学校(お稽古場)へ毎日通います。朝一番に行って、お稽古に来る先輩の芸妓さんや舞妓さんのために座布団を用意したり、お茶を入れたりしながら先輩芸妓さんや舞妓さんのお稽古をすべて観察します。見て、観察して覚えるということですね。そして、皆のおけいこが終わった後の一番最後に、自分がお稽古をします。
お稽古が終ると、すぐに戻りお姉さん芸妓さんの仕事場(お茶屋さん)に連れられて、夜は現場での修行が待っています。

一人前の舞妓さんになるまでは、ほとんど自分の時間がない毎日です。
そうして、その日にあったことはすべて、置屋のお母さんやお姉さん芸妓に報告をします。この報告の中で、置屋のお母さんやお姉さん芸妓からいろんなアドバイスを受けて、間違ったことは修正し、さらにいろんなことを学んでいくのです。
お茶屋さん(お座敷の現場)では、お茶屋さんのおかみさんやお客さん、また料理の仕出し屋さんやかんざしなどの小間物屋さんからも毎日にようにいろんなアドバイスを受けながら日々成長していくのです。
いろんな人たちからのアドバイスを素直に受け入れ自分のものにして行くことが、最も早く一人前の舞妓さんになる基本なのです。
その後は・・・は、本を読んでのお楽しみです。

社会に出るときの挨拶などの基本マナー、先輩との付き合い、報告の仕方、仕事の覚え方、社会に出た時の基本的な事がらを、舞妓さんから学べます。

<ご自身にとってこの本はどんな本ですか?>
いくつになっても基本は大切。自分自身を振り返りながら、自分は出来ているのだろうか?と、考えてみました。そして、いつも素直な気持ちを忘れないようにしたいです。

<20代の若者たちへオススメする理由はなんですか?>
舞妓さんの日常を通して、若者が社会に出て必要な大切なことを学ぶことが出来ます。社会に出る時は、何も難しいことを身につける必要はありません。舞妓さんがキャリア自律して行く様子を見ながら、基本的な事柄を学びましょう。これが出来れば、私も大丈夫!!と、元気になって下さい。

<最後に、若者たちへのエールを!>
あまり難しく考えずに、当たり前のことを当たり前にやれば、大丈夫!

森 俊昭さんのプロフィール

森 俊昭さん(キャリアカウンセラー、産業カウンセラー)
「まもなく定年退職しますが、定年後は若者支援の活動にたずさわる予定です。
未来の大切な力になる若者達を支援することが役目だと思っています。」